思ひかねうち寝る宵もありなまし
吹きだにすさべ庭の松風
- 歌の意味
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恋しさに耐えかねながらも、ついうとうとと寝入る宵もあるだろうに。せめて吹き弱まってくれ、庭の松風よ。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 1304
詞書「家に百首歌合し侍りけるに」
風に寄せて恋人を待つ心を詠む一連の一首目である。恋しさに耐えかねながらも寝入る宵もあるだろうに、せめて吹き弱まってくれ、庭の松風よと詠む。詞書によれば、作者の家で百首歌の歌合を催した際の歌である。
作者の「摂政太政大臣」は藤原良経である。関白九条兼実の子で、摂政、太政大臣に至り、後京極摂政と呼ばれた。新古今和歌集の仮名序を執筆した。
初句「思ひかね」は、恋しさに耐えかねて、の意である。
二句「うち寝る宵も」の「うち」は軽く添える接頭語で、ついうとうとと寝る宵も、の意である。
三句「ありなまし」の「まし」は反実仮想で、もしそうでなければ寝入る宵もあっただろうに、の意の三句切れである。
四句「吹きだにすさべ」の「すさぶ」は、勢いが衰える、の意で、せめて吹き弱まってくれ、と命じる。「だに」は、せめて〜だけでも、の意である。
結句「庭の松風」は、呼びかけの体言止めである。前歌の秋風を受けて、ここから風に寄せる一連が始まる。松を吹く風の音が眠りを妨げ、人を待つ心をかき立てることを示す。
おもひかぬ:思いに耐えかねる
うちぬ:ちょっと寝る、うとうとする
すさぶ:勢いが衰える、やむ
- 作者
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藤原良経
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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忘れじの言の葉いかになりにけむ 頼めし暮れは秋風ぞ吹く
- 次の歌
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さらでだにうらみむと思ふ我妹子が 衣の裾に秋風ぞ吹く