我が恋は今を限りとゆふまぐれ
荻吹く風のおとづれて行く
- 歌の意味
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私の恋は今が最後だと告げるかのように、夕暮れどき、荻を吹く風が音を立てて訪れては過ぎてゆく。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 1308
詞書「入道前関白太政大臣家の歌合に」
風に寄せて恋人を待つ心を詠む一連の五首目である。私の恋は今が最後だと告げるように、夕暮れに荻を吹く風が音を立てて訪れては過ぎてゆくと詠む。詞書によれば、入道前関白太政大臣の家で催された歌合に出詠した歌である。
作者の「俊恵法師」は、源俊頼の子で、東大寺の僧となり、自坊の歌林苑に歌人を集めて歌会を催した。鴨長明の歌の師である。詞書の「入道前関白太政大臣」は、出家した前関白太政大臣の意で、九条兼実を指す。
初句「我が恋は」は、私の恋は、の意である。
二句「今を限りと」は、今が最後だと、の意である。
三句「ゆふまぐれ」は、夕暮れどき、の意の「夕まぐれ」に、二句を受けて「言ふ」を掛ける掛詞である。今が最後だと言う、と夕暮れとが一語に重なる。
四句「荻吹く風の」は、前歌の「荻の上風」を受ける。
結句「おとづれて行く」の「おとづれ」は、風の「音」と、人の「訪れ」とを掛ける掛詞である。人の訪れの代わりに、恋の終わりを告げる風だけが音を立てて過ぎてゆくと結ぶ。
ゆふまぐれ:夕暮れどきの意に、言ふを掛ける
おとづる:音を立てる意と、訪れる意を掛ける
- 作者
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俊恵
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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あはれとて問ふ人のなどなかるらむ もの思ふ宿の荻の上風
- 次の歌
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今はただ心のほかに聞くものを 知らず顔なる荻の上風