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袖の露もあらぬ色にぞ消えかへる
うつれば変はる嘆きせしまに

歌の意味
袖の涙の露も、今までとは違う色になって、消え入るばかりだ。人の心が移ろえば変わってしまうものだと嘆いていたうちに。
鑑賞
巻第十四 恋歌四 1323

詞書「被忘恋の心を」
 秋の景物に寄せて恋の嘆きを詠む一連の六首目である。人の心が移ろえば変わると嘆いていたうちに、袖の涙の露も今までとは違う色になって消え入るばかりだと詠む。詞書によれば、被忘恋の題を詠んだ歌である。
 作者の「太上天皇」は後鳥羽院である。高倉天皇の皇子で、譲位後に院政を行い、新古今和歌集の撰進を命じた。太上天皇は譲位した天皇の称で、本集成立時の院である後鳥羽院を指す。
 被忘恋は、恋人に忘れられる恋を詠む題である。

 初句「袖の露も」は六音の字余りで、袖に置く涙の露も、の意である。
 二句「あらぬ色にぞ」は、今までとは違う色に、の意である。涙が血の涙のように色を変えたことを言い、嘆きの深まりを示す。「ぞ」は三句の連体形と係り結びをなす。
 三句「消えかへる」は、すっかり消え入る、の意の三句切れである。
 四句「うつれば変はる」は、移ろえば変わる、の意である。人の心が移ると、それにつれてすべてが変わってしまうことを言う。
 結句「嘆きせしまに」は、嘆いていたうちに、の意である。人の心の移ろいを嘆いているうちに、自分の袖の露の色までもが変わってしまったと、倒置によって上の句に続けている。

きえかへる:すっかり消え入る
うつる:心が移り変わる
作者
後鳥羽院
出典
新古今和歌集
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我が恋は庭のむら萩うら枯れて 人をも身をもあきの夕暮れ
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