さりともと待ちし月日ぞうつりゆく
心の花の色にまかせて
- 歌の意味
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それでもいつかはと待っていた月日が、移り過ぎてゆく。あの人の心の花の色が移ろうのに任せて。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 1328
詞書「百首歌中に」
秋の景物に寄せて恋の嘆きを詠む一連の十一首目である。それでもいつかはと待っていた月日が、あの人の心の花の色が移ろうのに任せて移り過ぎてゆくと詠む。詞書によれば、百首歌の中の一首である。
作者の「式子内親王」は、後白河天皇の皇女で、若くして賀茂の斎院を務めた。藤原俊成に和歌を学んだ。
古今集恋五の小野小町の歌「色見えでうつろふものは世の中の人の心の花にぞありける」を本歌とする。
初句「さりともと」は、それでもいつかはと、の意である。
二句「待ちし月日ぞ」は、待っていた月日が、の意である。「ぞ」は三句の連体形「うつりゆく」と係り結びをなす。
三句「うつりゆく」は、月日が移り過ぎてゆく意と、花の色が移ろう意とを重ね、三句切れとなる。
四句「心の花の」は、本歌の「人の心の花」を受ける。人の心を、色の移ろう花にたとえた語である。
結句「色にまかせて」は、その色の移ろいに任せて、の意で、倒置によって上の句に続く。本歌が色に見えずに移ろう人の心を詠んだのを受け、待つ月日までがその移ろいにつれて過ぎ去ることを詠んでいる。
うつる:時が過ぎる、色や心が移り変わる
まかす:成り行きに任せる
- 作者
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式子内親王
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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心こそ行方も知らね三輪の山 杉の梢の夕暮れの空
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生きてよも明日まで人もつらからじ この夕暮れを問はば問へかし