尋ね見るつらき心のおくの海よ
潮干の潟のいふかひもなし
- 歌の意味
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尋ねて見るあの人のつれない心の奥は、奥の海のようなものだ。潮の引いた干潟に貝もないように、何を言っても甲斐がない。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 1332
詞書は前の歌に続き「千五百番歌合に」
涙に濡れる袖と冬の景物に寄せて恋を詠む一連の三首目である。尋ねて見るつれない心の奥は奥の海のようで、潮の引いた干潟に貝がないように、何を言っても甲斐がないと詠む。詞書は前歌に続き、千五百番歌合に出詠した歌である。
作者の「定家朝臣」は藤原定家である。藤原俊成の子で、新古今和歌集の撰者の一人である。のちに新勅撰和歌集を単独で撰進した。
初句「尋ね見る」は、尋ねて確かめてみる、の意である。相手の心の内を探ろうとすることを言う。
二句「つらき心の」は、つれない人の心の、の意である。
三句「おくの海よ」は六音の字余りで、呼びかけの三句切れである。「おく」は、心の「奥」と、「奥の海」とを掛ける掛詞である。深く尋ねても底の知れない相手の心を、遠い奥の海にたとえる。
四句「潮干の潟の」は、潮の引いた干潟の、の意である。前歌の浦千鳥と波に続き、海辺の景を挙げる。
結句「いふかひもなし」の「かひ」は、干潟の「貝」と、言う「甲斐」とを掛ける掛詞である。潮が引いて貝も見当たらない干潟に、何を言っても甲斐のないつれない心を重ねて結ぶ。
おく:心の奥の意と、奥の海の意を掛ける
しほひ:潮が引くこと、潮の引いたとき
かた:潟、干潟
かひ:貝の意と、甲斐の意を掛ける
- 作者
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藤原定家
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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つくづくと思ひあかしの浦千鳥 波の枕になくなくぞ聞く
- 次の歌
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見し人の面影とめよ清見潟 袖にせきもる波の通ひ路