夜の間にも消ゆべきものを露霜の
いかに忍べと頼めおくらん
- 歌の意味
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一夜のうちにも消えてしまうはずの露霜のようなわが身なのに、どのように耐え忍べといって、あなたは先々をあてにさせておくのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1341
詞書「家に恋十首歌よみ侍りける時」
露を詠む一連の六首目である。露霜のように一夜のうちにも消えるはずの身に、どう耐え忍べというのかと、相手が先の約束をあてにさせておくことを恨む。詞書によれば、作者の家で恋の十首歌を詠んだ折の作である。
作者の「権中納言俊忠」は藤原俊忠である。権大納言藤原忠家の子で、藤原俊成の父にあたる。
初句「夜の間にも」は、一夜のあいだにも、の意である。
二句「消ゆべきものを」の「ものを」は逆接で、消えるはずのものなのに、の意である。
三句「露霜の」は、露と霜、または霜になりかけた露をいう。はかなく消えるわが身をたとえる。本巻の第千三百三十七首が秋の露から木枯らしへと移したのを受けるように、露霜の語で季節の深まりが示されている。
四句「いかに忍べと」は、どのように耐え忍べといって、の意である。
結句「頼めおくらん」の「おく」は、露霜が「置く」ことと言いかけた縁語である。「らん」は現在の推量で、相手があてにさせておくのを訝っている。
つゆじも:露と霜。また、露が冷えて霜のようになったもの
しのぶ:じっと耐える
たのめおく:将来のことをあてにさせておく
- 作者
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藤原俊忠
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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問へかしな尾花がもとの思ひ草 しをるる野辺の露はいかにと
- 次の歌
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あだなりと思ひしかども君よりは もの忘れせぬ袖の上露