萩の葉や露のけしきもうちつけに
もとより変はる心あるものを
- 歌の意味
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萩の葉というものは、露の気配ひとつでもたちまち色を変える。もともと変わりやすい心を持っているものなのに。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1347
詞書「返し」
露を詠む一連の十二首目で、前歌への返歌である。萩の葉は露の気配ひとつでたちまち色を変える、もとから移ろいやすい心を持つものだと返し、色に出たという相手の訴えを軽くいなす。
作者の「藤原惟成」は、花山天皇の側近として権左中弁などを務め、天皇の退位と出家に従って出家した人物である。
初句「萩の葉や」は、前歌の「小萩が下葉」を受ける。助詞「や」は詠嘆をこめて萩の葉を取り立てる。
二句「露のけしきも」は、露の置く様子にも、の意である。前歌になかった露をここで持ち出し、萩の葉の色づきを露のしわざとする。
三句「うちつけに」は、たちまち、にわかに、の意で、前歌の初句「うちはへて」と「うち」の語を響き合わせている。前歌がずっと眠れないと長い時を言うのに対し、こちらはたちまち変わると短い時で応じている。
四句「もとより変はる」は、もともと変わりやすい、の意である。前歌の「色に出でし」を、心が変わった兆しとして受け止め直している。
結句「心あるものを」の「ものを」は逆接の詠嘆で、変わりやすい心があるものなのに、の意である。相手の訴えを、移ろいやすさの表れとして切り返した返歌である。
けしき:様子、気配
- 作者
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藤原惟成
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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うちはへていやは寝らるる宮城野の 小萩が下葉色に出でしより
- 次の歌
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夜もすがら消えかへりつるわが身かな 涙の露にむすぼほれつつ