夜もすがら消えかへりつるわが身かな
涙の露にむすぼほれつつ
- 歌の意味
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一晩じゅう、消え入るほどに思い乱れていたわが身であることよ。涙の露が結ぶように、心もふさがれたままで。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1348
詞書「題しらず」
露を詠む一連の十三首目である。一晩じゅう消え入るほど思い乱れたわが身を、涙の露が結ぶさまに重ねて嘆く。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「華山院御歌」は花山院である。冷泉天皇の第一皇子で、第六十五代の天皇として即位したが、在位二年足らずで出家した。
初句「夜もすがら」は、一晩じゅう、の意である。
二句「消えかへりつる」は、消え入るほどにひどく思い乱れた、の意である。「消え」は露の縁語で、露が消えるように身も消え入る思いであったことをいう。
三句「わが身かな」は、詠嘆の終助詞「かな」で切れる三句切れである。
四句「涙の露に」は、涙を露に見立てた表現で、一連に通う涙の露をはっきりと言葉に表している。
結句「むすぼほれつつ」の「むすぼほる」は、露が結んで置く意と、気持ちがふさがって晴れない意を掛ける掛詞である。反復継続の「つつ」で結び、夜通し思いが解けなかったことを余韻として残す。
きえかへる:消え入るほどにひどく思い乱れる
むすぼほる:露が結ぶ意と、心がふさがって晴れない意を掛ける
- 作者
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花山院
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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萩の葉や露のけしきもうちつけに もとより変はる心あるものを
- 次の歌
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君がせぬわが手枕は草なれや 涙の露の夜な夜なぞ置く