色かはる萩の下葉を見てもまづ
人の心のあきぞ知らるる
- 歌の意味
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色の変わる萩の下葉を見ても、まず思い知られるのは、あの人の心に訪れた秋、すなわち飽きである。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1353
詞書「題しらず」
秋の色の移ろいを詠む一連の三首目である。色づく萩の下葉を見るにつけ、まず相手の心の飽きが思い知られると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「相模」は、相模守大江公資の妻となったことからこの名で呼ばれた女房歌人である。のちに一条天皇の皇女脩子内親王に仕えた。
初句「色かはる」は、前歌の三句「色かはる」と同じ語で始まり、二首が同じ言葉で結ばれている。
二句「萩の下葉を」は、本巻の第千三百四十六首の「小萩が下葉」と同じく、早く色づく萩の下葉をいう。そこでは忍ぶ思いが表に出るたとえであったが、ここでは相手の心変わりのしるしとして見られている。
三句「見てもまづ」は、見るにつけてもまず、の意である。
四句「人の心の」は、相手の心の、の意である。
結句「あきぞ知らるる」の「あき」は、季節の「秋」と心の「飽き」を掛ける掛詞である。係助詞「ぞ」を受けて連体形「るる」で結ぶ係り結びで、「るる」は自発を表し、自然と思い知られる、の意である。前歌の「あき」を同じ掛詞で受け、自分の身に来た秋から、相手の心の秋へと視点を移している。
したば:草木の下の方の葉
あき:季節の「秋」と、心が離れる「飽き」を掛ける
- 作者
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相模
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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身に近く来にけるものを色かはる あきをばよそに思ひしかども
- 次の歌
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稲妻は照らさぬ宵もなかりけり いづらほのかに見えしかげろふ