禊するならの小川の川風に
祈りぞわたる下に絶えじと
- 歌の意味
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禊をするならの小川の川風に吹かれながら、祈りつづけている。心の底で二人の仲が絶えることのないようにと。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1376
詞書は前の歌に続き「題しらず」
袖と水辺に寄せる一連の二首目である。ならの小川で禊をし、川風に吹かれながら、ひそかな仲が絶えないようにと祈りつづけると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「八代女王」は、奈良時代の女王で、聖武天皇に仕えた女性である。
禊は、川などの水で身を清めて罪や穢れを祓う行事である。ならの小川は、京都の上賀茂神社の境内を流れる御手洗川の称として知られる歌枕である。
初句「禊する」は、水で身を清めて祓いをする、の意である。
二句「ならの小川の」で、禊の場が示される。前歌の夏草の露から、夏の終わりの川辺へと移る。
三句「川風に」は、川を渡る風に、の意である。
四句「祈りぞわたる」は、祈りつづける、の意である。「わたる」は、時間を通して続ける意と、川の縁語として渡る意を響かせる。係助詞「ぞ」を受けて連体形「わたる」で結ぶ係り結びである。四句で切れる。
結句「下に絶えじと」の「下」は、心の底、ひそかに、の意で、川の水底の流れをも思わせる。「絶え」は川の流れが絶える意と響き合う縁語である。四句からの倒置で、祈りの中身を後に示している。
みそぎ:川などの水で身を清めて罪や穢れを祓うこと
した:心の底。表に出さないひそかな思い
- 作者
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八代女王
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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夏草の露分け衣着もせぬに などわが袖の乾く時なき
- 次の歌
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恨みつつ寝る夜の袖の乾かぬは 枕の下に潮や満つらん