うちとけて寝ぬものゆゑに夢を見て
物思ひまさる頃にもあるかな
- 歌の意味
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くつろいで寝たわけでもないのに夢を見て、物思いがいっそうつのるこのごろであることよ。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1381
詞書は前の歌に続き「題しらず」
夢を詠む一連の二首目である。くつろいで寝たわけでもないのに夢を見て、かえって物思いがつのると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「参議篁」は小野篁である。参議小野岑守の子で、遣唐副使に任ぜられながら乗船を拒んで隠岐に流され、のちに許されて参議に至った。
初句「うちとけて」は、心を許してくつろいで、の意である。
二句「寝ぬものゆゑに」の「ものゆゑに」は逆接で、寝たわけでもないのに、の意である。前歌の「うたた寝」を受け、十分に寝てもいないことをいう。
三句「夢を見て」は、前歌と同じく夢に相手を見たことをいう。
四句「物思ひまさる」は、物思いがいっそうつのる、の意で、字余りである。前歌の結句「物をこそ思へ」を受け、物思いがさらに増してゆく。
結句「頃にもあるかな」は、詠嘆の「かな」で結ぶ。一度きりの夢ではなく、夢を見ては物思いがつのる日々が続いていることを示している。
ものおもひ:恋などで思い悩むこと
- 作者
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小野篁
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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いかに寝て見えしなるらんうたた寝の 夢より後は物をこそ思へ
- 次の歌
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春の夜の夢にありつと見えつれば 思ひ絶えにし人ぞ待たるる