春の夜の夢のしるしはつらくとも
見しばかりだにあらば頼まん
- 歌の意味
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春の夜の夢が本当になるというしるしは、たとえつれないものであっても、せめて夢で見たというだけのことでもあるならば、それを頼みにしよう。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1383
詞書は前の歌に続き「題しらず」
夢を詠む一連の四首目である。春の夜の夢の効験はつれなくとも、せめて夢で見たことだけでもあるならそれを頼みにしようと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「盛明親王」は、醍醐天皇の皇子である。一度は源の姓を賜って臣下となったが、のちに親王に復した。
初句「春の夜の」は、前歌と同じ初句である。二首が同じ語で始まり、春の夜の夢を並べて詠んでいる。
二句「夢のしるしは」の「しるし」は、夢が現実となる効験、ききめをいう。
三句「つらくとも」は、つれないものであっても、の意で、「とも」は逆接の仮定である。
四句「見しばかりだに」は、夢で見たというだけでも、の意である。「だに」は最小限の望みを表す。
結句「あらば頼まん」は、あるならば頼みにしよう、の意である。前歌が夢から待つ心を呼び起こされたのに対し、この歌は夢が現実にならなくとも、夢に見たことそのものを頼みとしようと、さらに望みを小さくしている。
しるし:ききめ、効験
- 作者
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盛明親王
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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春の夜の夢にありつと見えつれば 思ひ絶えにし人ぞ待たるる
- 次の歌
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寝る夢にうつつの憂さも忘られて 思ひなぐさむほどぞはかなき