かくばかり寝で明かしつる春の夜に
いかに見えつる夢にかあるらん
- 歌の意味
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これほどまでに一睡もせずに明かした春の夜に、いったいどのようにして見た夢だったのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1385
詞書「春夜、女のもとにまかりて、あしたにつかはしける」
夢を詠む一連の六首目である。一睡もせずに明かした春の夜に、どうして見た夢だったのかと、女との逢瀬を夢のようであったと詠む。詞書によれば、春の夜に女のもとへ行き、その翌朝に贈った歌である。
作者の「能宣朝臣」は大中臣能宣である。伊勢神宮の祭主を務め、梨壺の五人の一人として『後撰和歌集』の撰進に加わった。
初句「かくばかり」は、これほどまでに、の意である。
二句「寝で明かしつる」の「で」は打消の接続助詞で、寝ないで夜を明かした、の意である。
三句「春の夜に」は、前の二首の初句「春の夜の」を受け、同じ春の夜を詠む。
四句「いかに見えつる」は、どのように見えた、の意である。前の歌群が寝て見る夢を詠んだのに対し、この歌は寝てもいないのに見た夢と言い、逢瀬そのものを夢にたとえている。
結句「夢にかあるらん」の「か」は疑問の係助詞で、連体形「らん」で結ぶ係り結びである。本巻の第千三百八十首の「いかに寝て見えしなるらん」と同じく、どのように見えたのかと問う形で、寝て見た夢と寝ずに見た夢とが対になっている。
あした:翌朝
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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寝る夢にうつつの憂さも忘られて 思ひなぐさむほどぞはかなき
- 次の歌
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涙川身も浮きぬべき寝覚めかな はかなき夢の名残ばかりに