はかなくぞ知らぬ命を嘆きこし
わがかねごとのかかりける世に
- 歌の意味
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はかなくも、いつまでとも知れない命のことを嘆いてきたものだ。私のかねての言葉が、このように当てはまってしまう二人の仲であったのに。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1392
詞書「恋歌とて」
過ぎた恋を思い返す一連の三首目である。かねて口にしていた言葉がそのとおりになってしまう仲であったのに、それとも知らず命のはかなさを嘆いてきたと、過ぎた日の自分を振り返る。詞書によれば、恋の歌として詠んだものである。
作者の「式子内親王」は、後白河天皇の皇女である。賀茂の斎院を務め、藤原俊成に和歌を学んだ。
初句「はかなくぞ」は、はかなくも、むなしくも、の意で、係助詞「ぞ」が三句に係る。
二句「知らぬ命を」は、いつまでとも知れない命を、の意である。
三句「嘆きこし」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「し」で結ぶ係り結びで、嘆いてきたことだ、の意である。三句で切れる。
四句「わがかねごとの」の「かねごと」は、前もって言っておいた言葉、予言や約束をいう。
結句「かかりける世に」は、このようであった仲なのに、の意である。「世」は男女の仲をいう。前歌が逢った記憶を夢かと疑ったのに対し、この歌は自分のかねての言葉がそのまま現実になった仲を振り返り、過去の嘆きをむなしいものとして見返している。
かねごと:前もって言っておいた言葉。予言や約束
よ:男女の仲
- 作者
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式子内親王
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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夢かとよ見し面影も契りしも 忘れずながらうつつならねば
- 次の歌
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過ぎにける世々の契りも忘られて いとふ憂き身の果てぞはかなき