過ぎにける世々の契りも忘られて
いとふ憂き身の果てぞはかなき
- 歌の意味
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過ぎ去った幾世にもわたる契りも忘れられて、厭わしく思うこのつらい身の行く末が、なんともはかない。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1393
詞書は前の歌に続き「恋歌とて」
過ぎた恋を思い返す一連の四首目である。過ぎ去った幾世の契りも忘れられ、厭わしく思うつらい身の行く末がはかないと詠む。詞書によれば、前歌と同じく恋の歌として詠んだものである。
作者の「弁」は女房の呼び名で、誰を指すかについては定説を見ない。「弁」は、父や縁者の官職である弁官に由来する女房名である。なお他本ではこの歌の作者を前歌と同じ式子内親王とする。
初句「過ぎにける」は、過ぎ去ってしまった、の意である。
二句「世々の契りも」は、幾世にもわたる約束、前世からの因縁も、の意である。前歌の「かねごと」を受け、約束の語が続く。
三句「忘られて」は、相手に忘れられて、の意である。
四句「いとふ憂き身の」は、自ら厭わしく思うつらい身の、の意である。
結句「果てぞはかなき」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「はかなき」で結ぶ係り結びである。前歌が過去の嘆きを振り返ったのに対し、この歌は忘れられた身の行く末へと目を向け、過去と将来とが並べられている。
よよ:幾世にもわたること。前世からの因縁
いとふ:厭わしく思う
- 作者
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弁
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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はかなくぞ知らぬ命を嘆きこし わがかねごとのかかりける世に
- 次の歌
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思ひわび見し面影はさておきて 恋せざりけん折ぞ恋しき