つらからば恋しきことは忘れなで
添へてはなどか静心なき
- 歌の意味
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あなたがつれないのなら、恋しい気持ちは忘れもせずに、そのうえどうして私の心は落ち着かないのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1396
詞書「男の久しく訪れざりけるが、忘れてやと申し侍りければ、よめる」
途絶えた仲を詠む一連の二首目である。相手がつれないのに恋しさは忘れられず、そのうえ心も落ち着かないと詠み、忘れたかと問う男に答える。詞書によれば、長く訪れなかった男が、忘れてしまったかと言ってきたので詠んだ歌である。
作者の「馬内侍」は、左馬権頭源時明の娘である。斎宮女御徽子女王、選子内親王、東三条院詮子などに仕え、一条天皇の中宮定子の立后に際して掌侍となった。
初句「つらからば」は、あなたがつれないのなら、の意である。
二句「恋しきことは」は、恋しい気持ちは、の意である。
三句「忘れなで」は、忘れないで、の意である。男の「忘れてや」という問いに、忘れてはいないと答えている。
四句「添へてはなどか」は、そのうえどうして、の意である。
結句「静心なき」は、「などか」を受けて連体形で結び、落ち着いた心がない、の意である。本巻の第千三百六十首の四句と同じ「しづ心なく」の語で、恋に揺れる心を詠む。
しづごころ:落ち着いた心
- 作者
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馬内侍
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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流れ出でんうき名にしばし淀むかな 求めぬ袖の淵はあれども
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君しまれ道の行き来を定むらん 過ぎにし人をかつ忘れつつ