おのづからさこそはあれと思ふ間に
まことに人の訪はずなりぬる
- 歌の意味
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たまたまそういうこともあるだろうと思っているうちに、本当にあの人は訪れなくなってしまった。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1399
詞書「久しく訪れせぬ人に」
途絶えた仲を詠む一連の五首目である。訪れのないのもたまたまのことだろうと思っているうちに、本当に訪れなくなってしまったと詠む。詞書によれば、久しく訪れのない人に贈った歌である。
作者の「大納言経信母」は、民部卿源道方の妻で、大納言源経信の母にあたる女性である。
初句「おのづから」は、たまたま、偶然に、の意である。
二句「さこそはあれと」は、そういうこともあるだろうと、の意である。訪れのないのを一時のことと思おうとしている。
三句「思ふ間に」は、思っているうちに、の意である。
四句「まことに人の」は、本当にあの人が、の意である。二句の「さこそはあれ」という仮の思いと、四句の「まことに」という現実とが対比される。
結句「訪はずなりぬる」は、訪れなくなってしまった、の意である。連体形で言いさす形で余情を残す。前歌が思い出した相手を詠んだのに対し、この歌はいつのまにか忘れていった相手を詠んでいる。
とふ:訪れる、見舞う
- 作者
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源経信母
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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花咲かぬ朽木の杣の杣人の いかなるくれに思ひ出づらん
- 次の歌
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ならはねば人の訪はぬもつらからで 悔しきにこそ袖は濡れけれ