思ひ出づや美濃の小山の一つ松
契りしことはいつも忘れず
- 歌の意味
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思い出してくれるだろうか。美濃の小山の一本松のように変わらずに約束したことを、私はいつも忘れずにいる。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1408
詞書は前の歌に続き「題しらず」
絶えた契りを詠む一連の三首目である。美濃の小山の一本松のように、変わらないと約束したことを自分はいつも忘れずにいると言い、相手は思い出すだろうかと問う。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「伊勢」は、伊勢守藤原継蔭の娘である。宇多天皇の中宮温子に仕え、父の官名から伊勢と呼ばれた。
美濃の小山は美濃国の歌枕で、一本の松とともに詠まれる。松は常に緑を保つことから、変わらない心の象徴とされる。
初句「思ひ出づや」は、思い出すだろうか、の意で、相手に問いかける。初句で切れる。
二句「美濃の小山の」で、歌枕の地が示される。
三句「一つ松」は、一本だけ立つ松をいう。常緑の松に、変わらない約束が重ねられる。「一つ」は、二人がただ一人と契り合った心をも思わせる。
四句「契りしことは」は、約束したことは、の意である。前歌の「思ひな絶えそ」を受け、絶やさずに保たれた約束を示す。
結句「いつも忘れず」は、いつも忘れずにいる、の意である。初句で相手が思い出すかを問い、結句で自分は忘れないと言い切り、忘れる側と忘れない側とを対比している。
ちぎる:約束する
- 作者
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伊勢
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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今はとも思ひな絶えそ野中なる 水の流れは行きて尋ねん
- 次の歌
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出でていにし跡だにいまだ変はらぬに 誰が通ひ路と今はなるらん