出でていにし跡だにいまだ変はらぬに
誰が通ひ路と今はなるらん
- 歌の意味
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私が出て行った足跡さえ、まだ変わらずに残っているのに、今は誰の通い路となっているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1409
詞書は前の歌に続き「題しらず」
絶えた契りを詠む一連の四首目である。自分が出て行った跡もまだ消えていないのに、今は誰が通う道となっているのかと、女の心変わりを疑う。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「業平朝臣」は在原業平である。平城天皇の皇子阿保親王の子で、六歌仙、三十六歌仙の一人である。
初句「出でていにし」は六音の字余りで、出て行ってしまった、の意である。
二句「跡だにいまだ」は、足跡さえまだ、の意である。「だに」は、せめて~さえ、の意を表す。
三句「変はらぬに」は、変わらずに残っているのに、の意である。前歌の「いつも忘れず」の変わらなさを受けつつ、変わらないのは跡だけだとする。
四句「誰が通ひ路と」は、誰の通う道として、の意で、ほかの男の存在を疑う。
結句「今はなるらん」は、今はなっているのだろうか、の意である。前歌が約束を忘れないと言ったのに対し、この歌は変わらない跡と変わってしまった心とを対比し、相手の心変わりを疑っている。
いぬ:去る、行ってしまう
かよひぢ:男が女のもとへ通う道
- 作者
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在原業平
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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思ひ出づや美濃の小山の一つ松 契りしことはいつも忘れず
- 次の歌
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梅の花香をのみ袖にとどめおきて わが思ふ人は訪れもせぬ