天の原そこともしらぬ大空に
おぼつかなさを嘆きつるかな
- 歌の意味
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天の原の、どこがどことも知れない果てしない大空のように、あなたの様子がわからない心もとなさを嘆いていたことだ。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1411
詞書「斎宮女御につかはしける」
空と雲を詠む一連の一首目で、次歌と贈答をなす。果てしない大空のように相手の様子がつかめず、その心もとなさを嘆いていたと詠む。詞書によれば、斎宮女御徽子女王に贈った歌である。
作者の「天暦御歌」は、村上天皇の御製である。醍醐天皇の皇子で、第六十二代の天皇として即位し、その治世は天暦の治と称えられた。天暦はその治世の年号である。
初句「天の原」は、広々とした大空をいう。
二句「そこともしらぬ」は、どこがどことも知れない、の意である。果てのない空のさまをいう。
三句「大空に」は、初句の「天の原」を言い換えて重ね、空の広さを強める。前の歌群の地上の景物から、ここで空へと景物が移る。
四句「おぼつかなさを」は、様子がわからず心もとない気持ちを、の意である。三句の「おほそら」と「おぼつかなさ」が同じ音で響き合い、空のとらえどころのなさがそのまま心の不安へと移される。
結句「嘆きつるかな」は、嘆いていたことだ、と詠嘆の「かな」で結ぶ。次歌の女御の返歌は、この「空」と「嘆き」の語を受けて応じている。
あまのはら:広々とした大空
おぼつかなし:様子がわからず心もとない
- 作者
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村上天皇
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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梅の花香をのみ袖にとどめおきて わが思ふ人は訪れもせぬ
- 次の歌
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嘆くらん心を空に見てしがな 立つ朝霧に身をやなさまし