逢はずしてふるころほひのあまたあれば
はるけき空にながめをぞする
- 歌の意味
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逢わないまま過ごす日々が多く重なり、長雨の降るころでもあるので、はるかな空を眺めては物思いにふけっている。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1413
詞書「題しらず」
空と雲を詠む一連の三首目である。逢わないまま過ぎる日々が重なり、長雨の降るころ、はるかな空を眺めて物思いにふけると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「光孝天皇御歌」は、仁明天皇の皇子の光孝天皇である。五十五歳で即位した第五十八代の天皇で、在位は三年余りであった。
初句「逢はずして」は、逢わないままで、の意である。
二句「ふるころほひの」の「ふる」は、時が「経る」意と、雨が「降る」意を掛ける掛詞である。「ころほひ」は、ころ、時分の意である。
三句「あまたあれば」は、多くあるので、の意である。逢わない日々が数多く重なったことをいう。
四句「はるけき空に」は、はるかな空に、の意である。前の二首の贈答で詠まれた空を受けている。
結句「ながめをぞする」の「ながめ」は、物思いにふけって「眺め」る意と、「長雨」を掛ける掛詞である。係助詞「ぞ」を受けて連体形「する」で結ぶ係り結びである。「ふる」と「ながめ」の二つの掛詞によって、逢えない日々の物思いが長雨の空の景と重ねられている。
ふる:時が「経る」意と、雨が「降る」意を掛ける
ころほひ:ころ、時分
ながめ:物思いにふけって「眺め」る意と、「長雨」を掛ける
- 作者
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光孝天皇
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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嘆くらん心を空に見てしがな 立つ朝霧に身をやなさまし
- 次の歌
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思ひやる心も空に白雲の 出で立つかたを知らせやはせぬ