長き世の尽きぬ嘆きの絶えざらば
何に命をかへて忘れん
- 歌の意味
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長い世にわたって尽きることのない嘆きが絶えないのならば、いったい何と命を引き換えにして、この恋を忘れればよいのか。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1422
詞書「久しくなりにける人のもとへ」
忘れがたい思いを詠む一連の四首目である。尽きることのない嘆きが絶えないなら、何と命を引き換えにしても忘れることはできまいと詠む。詞書によれば、疎遠になって久しい人のもとへ贈った歌である。
作者の「謙徳公」は藤原伊尹である。右大臣藤原師輔の長男で、摂政太政大臣に至った。謙徳公は没後に贈られた諡である。
初句「長き世の」は、長い世にわたる、の意である。
二句「尽きぬ嘆きの」は、尽きることのない嘆きが、の意である。
三句「絶えざらば」は、絶えないならば、の意である。「長き」「尽きぬ」「絶えざら」と、終わりのないことを言う語を重ねている。
四句「何に命を」は、何と命を、の意である。
結句「かへて忘れん」は、引き換えにして忘れようか、の意である。命と引き換えにしても忘れられない思いの深さを示している。前歌が深い心が底にとどまると詠んだのに続き、この歌も消えることのない思いを詠んでいる。
かふ:引き換える
- 作者
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藤原伊尹
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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水の上のはかなき数も思ほえず 深き心し底にとまれば
- 次の歌
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心にもまかせざりける命もて 頼めもおかじ常ならぬ世を