逢ふことをおぼつかなくて過ぐすかな
草葉の露の置きかはるまで
- 歌の意味
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逢えるかどうかもはっきりしないまま過ごしていることだ。草葉の露が幾度も置きかわるほどの日数を重ねるまで。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1430
詞書は前の歌に続き「題しらず」
野と田に寄せる一連の一首目である。逢えるかどうかもわからないまま、草葉の露が幾度も置きかわるほどの日々を過ごすと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「読人しらず」は、名の伝わらない作者であることを示す。
初句「逢ふことを」は、逢うことを、の意である。
二句「おぼつかなくて」は、はっきりしないままで、の意である。
三句「過ぐすかな」は、過ごしていることだ、と詠嘆の「かな」で切れる三句切れである。
四句「草葉の露の」は、草の葉に置く露の、の意である。巻頭から続いた露の一連を思わせる景物が、巻の終わり近くで再び詠まれる。
結句「置きかはるまで」は、露が消えてはまた置き、幾度も置きかわるまで、の意である。三句からの倒置で、日数の多さを露の置きかわりで示している。前歌が一夜の独り寝を詠んだのに対し、この歌は幾日もの時の流れを詠み、一夜と日々とが対になっている。
おぼつかなし:はっきりせず心もとない
おきかはる:露などが消えてはまた置く
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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玉くしげ明けまく惜しきあたら夜を 衣手離れて独りかも寝ん
- 次の歌
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秋の田の穂向けの風の片寄りに 我は物思ふつれなきものを