白波は立ち騒ぐともこりずまの
浦のみるめは刈らんとぞ思ふ
- 歌の意味
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白波が立ち騒ぐように、人の噂が騒ぎ立っても、懲りもせずに須磨の浦の海松布を刈るように、あの人に逢おうと思う。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1434
詞書は前の歌に続き「題しらず」
浦と波に寄せる一連の二首目である。白波が立ち騒ぐように噂が立っても、懲りずに須磨の浦の海松布を刈るように、あの人に逢おうと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「読人しらず」は、名の伝わらない作者であることを示す。
須磨は摂津国の歌枕で、現在の神戸市須磨区にあたる。海辺の浦として、藻塩や海松布などの景物とともに詠まれた。
初句「白波は」は、前歌の「波」を受ける。白波が立つことに、人の噂が立つことが重ねられる。
二句「立ち騒ぐとも」は、立ち騒いでも、の意で、「とも」は逆接の仮定である。
三句「こりずまの」の「こりずま」は、「懲りず」と地名の「須磨」を掛ける掛詞である。
四句「浦のみるめは」の「みるめ」は、海藻の「海松布」と、人に逢う「見る目」を掛ける掛詞である。
結句「刈らんとぞ思ふ」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「思ふ」で結ぶ係り結びである。海松布を「刈る」ことに、逢う機会を得ることを重ねている。前歌の男が恨んで帰っていったのに対し、この歌は噂にも懲りずに逢おうとし、去る者と求める者とが並べられている。
こりずま:「懲りず」の意と、地名の「須磨」を掛ける
みるめ:海藻の「海松布」と、人に逢う「見る目」を掛ける
かる:海藻などを刈り取る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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大淀のまつはつらくもあらなくに うらみてのみも帰る波かな
- 次の歌
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さしてゆくかたは湊の浦高み うらみて帰る海人の釣舟