桜花過ぎゆく春の友とてや
風の音せぬ夜にも散るらん
- 歌の意味
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桜の花は、過ぎてゆく春の道連れになろうというのだろうか。風の音もしない夜にも散っているのだろう。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1464
詞書「無風散花といふことをよめる」
桜を詠む一連の十四首目である。桜の花は過ぎてゆく春の道連れになろうとして、風の音もしない夜にも散るのだろうかと詠む。詞書によれば、無風散花の題で詠まれた歌である。
作者の「大納言忠教」は、関白藤原師実の子である。大納言に至った。
無風散花は、風がないのに花が散るという題である。
初句「桜花」は、散る桜をまず示す。前歌の「散ること知らぬ花」から一転して、実際に散ってゆく花が詠まれる。
二句「過ぎゆく春の」は、去ってゆく春をいう。本巻の第千四百六十三首の二句「暮れゆく春も」と、春の終わりを詠む点で対応する。
三句「友とてや」は、友として、道連れになろうとして、の意で、係助詞「や」は疑問を表す。散る花を、去る春に連れ添う友に見立てている。
四句「風の音せぬ」は、題の無風を言い表した句である。風もないのに散る理由を、春の友となるためだとする。
結句「夜にも散るらん」は、係助詞「や」を受けて連体形「らん」で結ぶ係り結びである。前の二首が散らない花を詠んだのに対し、この歌は風がなくても散る花を詠み、一連の趣を反転させている。
とも:仲間。連れ立って行く相手
- 作者
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藤原忠教
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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さもあらばあれ暮れゆく春も雲の上に 散ること知らぬ花しにほはば
- 次の歌
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惜しめども常ならぬ世の花なれば 今はこの身を西に求めん