- 歌の意味
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心の中では、忘れる時もなかったことだ。三代の帝にお仕えした昔の、宮中の月を。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1511
詞書「文治の頃ほひ、百首歌よみ侍りけるに、懐旧歌とてよめる」
月に昔を思う一連の三首目である。三代の帝に仕えた昔の宮中の月を、心では忘れる時もなかったと詠む。詞書によれば、文治の頃に百首歌を詠んだ折、懐旧の歌として詠まれた歌である。
作者の「左近中将公衡」は、右大臣藤原公能の子である。左近衛中将となったが、若くして没した。
初句「心には」は、表には出さなくとも心の内では、の含みを持つ。
二句「忘るる時も」は、忘れる時も、の意である。本巻の第千五百九首の初句「忘れじよ」と、忘れることを主題にする点で対応する。
三句「なかりけり」は、今気づいた詠嘆の「けり」で、なかったことだ、と言い切る。ここで三句切れとなる。
四句「三代の昔の」は、三代の帝に仕えた昔をいう。仕えた年月の長さと、過ぎ去った時の遠さを示す。
結句「雲の上の月」は体言止めである。「雲の上」は宮中をいい、前の二首の「雲居の月」と同じく宮中の月を詠む。倒置の形で、忘れなかった対象を最後に置いている。
くものうへ:宮中。内裏
みよ:三代の帝の御代
- 作者
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藤原公衡
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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いかにして袖に光の宿るらん 雲居の月は隔ててし身を
- 次の歌
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昔見し雲居をめぐる秋の月 今いくとせか袖に宿さん