いたづらに寝ては明かせどもろともに
君が来ぬ夜の月は見ざりき
- 歌の意味
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むなしく独り寝をして夜を明かしてはいるけれど、あなたが来ない夜には、一緒に見るはずの月を見ることはなかった。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1516
詞書「月の明かりける夜、あひ語らひける人の、この頃の月は見るやといへりければ」
月に人を思う一連の三首目である。むなしく独り寝で夜を明かしてはいるが、あなたの来ない夜には、ともに見るはずの月を見なかったと詠む。詞書によれば、月の明るい夜に、親しく語り合っていた人から、この頃の月は見ているかと言われて答えた歌である。
作者の「源道済」は、平安時代中期の歌人である。筑前守などを務めた。
初句「いたづらに」は、むなしく、何のかいもなく、の意である。
二句「寝ては明かせど」は、逆接の「ど」で、寝て夜を明かしてはいるけれど、の意となる。
三句「もろともに」は、一緒に、の意で、下句の月を見ることにかかる。
四句「君が来ぬ夜の」は、あなたが来ない夜の、の意である。詞書の「この頃の月は見るや」という問いを受ける。
結句「月は見ざりき」は、過去の「き」で、月は見なかった、と言い切る。前歌が月の見え方を場所に求めたのに対し、ここでは月を見るかどうかを、ともに見る人の有無にかけている。
いたづらなり:むなしい。かいがない
もろとも:一緒。ともに
- 作者
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源道済
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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淡路にてあはとはるかに見し月の 近き今宵は所からかも
- 次の歌
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天の原はるかにひとりながむれば 袂に月の出でにけるかな