山の端を出でても松の木の間より
心づくしの有明の月
- 歌の意味
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山の端を出てからも、なお松の木の間からわずかにのぞいて、気をもませる有明の月であることよ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1522
詞書「同じ家歌合に、山月の心をよめる」
有明の月を詠む一連の二首目である。山の端を出てもなお松の木の間から見え隠れして、気をもませる有明の月を詠む。詞書によれば、前歌と同じ藤原良経の家の歌合で、山月の題で詠まれた歌である。
作者の「藤原業清」は、鎌倉時代初期の歌人である。
四句と結句は、『古今和歌集』のよみ人しらずの歌「木の間より漏り来る月の影見れば心づくしの秋は来にけり」を踏まえる。
初句「山の端を」は、月の出る山の稜線を示す。
二句「出でても松の」は、山の端を出てからも、の意である。山の端を出れば月が見えるはずなのに、なお松に遮られるとする。
三句「木の間より」は、松の木々の間から、の意で、本歌の初句「木の間より」をそのまま用いる。
四句「心づくしの」は、気をもませる、心を尽くさせる、の意である。本歌の「心づくしの秋」を、ここでは有明の月に移している。
結句「有明の月」は体言止めである。前歌の初句「有明の月の」を受け、山の端を出てもなお見えにくい暁の月の、気をもませる趣を詠んでいる。
こころづくし:気をもむこと。心を尽くして思い悩むこと
- 作者
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藤原業清
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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有明の月の行方をながめてぞ 野寺の鐘は聞くべかりける
- 次の歌
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夜もすがらひとりみ山の真木の葉に 曇るも澄める有明の月