奥山の木の葉の落つる秋風に
絶え絶え峰の雲ぞ残れる
- 歌の意味
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奥山の木の葉を落とす秋風に吹かれて、峰の雲がとぎれとぎれに残っている。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1524
詞書「熊野に詣で侍りし時、奉りし歌の中に」
有明の月を詠む一連の四首目である。奥山の木の葉を落とす秋風に、峰の雲がとぎれとぎれに残るさまを詠む。この歌に月の語はないが、次歌と一組になり、月の澄む前の山の景を描いている。詞書によれば、熊野に参詣した折、後鳥羽院に奉った歌のうちの一首である。
作者の「藤原秀能」は、藤原秀宗の子である。後鳥羽院に北面の武士として仕え、和歌所の寄人にも加えられた。
熊野は紀伊の熊野三山をいい、院政期には上皇たちの参詣が盛んであった。
初句「奥山の」は、人里から遠く離れた深い山をいう。前歌の「深山」を受けている。
二句「木の葉の落つる」は、秋風に木の葉が散り落ちるさまをいう。
三句「秋風に」は、木の葉を落とし、雲を吹き払う秋の風を示す。
四句「絶え絶え峰の」の「絶え絶え」は、とぎれとぎれに、の意である。秋風に吹きちぎられた雲のさまを表す。
結句「雲ぞ残れる」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「残れる」で結ぶ係り結びである。峰にまだ雲が残っている景を示し、次歌で浮雲が消えて月が澄むことへとつないでいる。
たえだえ:とぎれとぎれに
くまの:紀伊の熊野三山
- 作者
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藤原秀能
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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夜もすがらひとりみ山の真木の葉に 曇るも澄める有明の月
- 次の歌
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月澄めば四方の浮雲空に消えて 深山隠れに行く嵐かな