月を見て心浮かれしいにしへの
秋にもさらにめぐり逢ひぬる
- 歌の意味
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月を見て心が浮かれ出たあの昔の秋に、再びめぐり逢ったことだ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1532
詞書「題しらず」
月にわが身を思う一連の二首目である。月を見て心が浮かれ出た昔の秋に、再びめぐり逢ったと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「西行法師」は、俗名を佐藤義清という。鳥羽院に北面の武士として仕えたが、二十三歳で出家し、諸国を旅して多くの歌を残した。
初句「月を見て」は、月を眺めることをいう。
二句「心浮かれし」は、心がさまよい出る、落ち着かなくなる、の意で、過去の「し」でかつてのこととする。月に誘われて心が身を離れるさまである。
三句「いにしへの」は、遠い昔の、の意である。出家以前の若い日々を思わせる。
四句「秋にもさらに」は、その秋に再び、の意である。
結句「めぐり逢ひぬる」は、完了の「ぬ」の連体形で詠嘆をこめて結ぶ。前歌の三句「めぐり逢ひて」を受け、俊成が死を覚悟した秋にめぐり逢ったのに対し、ここでは心の浮かれた昔の秋にめぐり逢うとして、月を通して過去と今とを重ねている。
うかる:心がさまよい出る。落ち着かなくなる
いにしへ:遠い昔
- 作者
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西行
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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思ひきや別れし秋にめぐり逢ひて またもこの世の月を見んとは
- 次の歌
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夜もすがら月こそ袖に宿りけれ 昔の秋を思ひ出づれば