月の色に心を清く染めましや
都を出でぬ我が身なりせば
- 歌の意味
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月の色に、心をこれほど清く染めることができただろうか。もし都を出ることのない我が身であったならば。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1534
詞書は前の歌に続き「題しらず」
月にわが身を思う一連の四首目である。都を出ずにいた身であったならば、月の色に心をこれほど清く染めることができただろうかと詠む。詞書は前の歌に続き題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「西行法師」は、俗名を佐藤義清という。鳥羽院に北面の武士として仕えたが、二十三歳で出家し、諸国を旅して多くの歌を残した。原文には作者名がなく、前歌の作者を受ける。
初句「月の色に」は字余りの句で、月の光の色をいう。清らかな光を、心を染める色としてとらえる。
二句「心を清く」は、心を清らかに、の意である。世俗の汚れを離れた心を示す。
三句「染めましや」は、反実仮想の「まし」に反語の「や」を添え、染めることができただろうか、いやできなかっただろう、の意となる。ここで三句切れとなる。
四句「都を出でぬ」は、都を出ることのない、の意である。出家して都を離れた西行自身の生き方を裏から示す。
結句「我が身なりせば」は、反実仮想の「せば」で、我が身であったならば、の意となる。前の二首が月に昔を思ったのに対し、ここでは都を出た今の身だからこそ月に心を清く染められると、出家の境地を肯定している。
そむ:色を染める。染まる
- 作者
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西行
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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夜もすがら月こそ袖に宿りけれ 昔の秋を思ひ出づれば
- 次の歌
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捨つとならば憂き世を厭ふしるしあらん 我見ば曇れ秋の夜の月