ながめして過ぎにしかたを思ふ間に
峰より峰に月は移りぬ
- 歌の意味
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物思いにふけって眺めながら、過ぎ去った昔を思っているうちに、月は峰から峰へと移ってしまった。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1537
詞書は前の歌に続き「題しらず」
月にわが身を思う一連の七首目である。物思いにふけって過ぎた昔を思っているうちに、月は峰から峰へと移ってしまったと詠む。詞書は前の歌に続き題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「入道親王覚性」は、鳥羽天皇の皇子である。仁和寺に入って出家し、その門跡となった。
初句「ながめして」は、物思いにふけって眺めて、の意である。
二句「過ぎにしかたを」は、過ぎ去った昔を、の意である。
三句「思ふ間に」は、前歌の三句「思ふ間に」と同じ句である。前歌がわが身の老いを思ったのに対し、ここでは過ぎた昔を思う。
四句「峰より峰に」は、月が一つの峰から次の峰へ移ってゆくことをいう。時の経過を空間の広がりで示す。
結句「月は移りぬ」は、完了の「ぬ」で、移ってしまった、と言い切る。前歌の「はるかに月の傾きにける」と同じく、思いにふける間の月の動きによって時の過ぎゆくさまを表している。
ながむ:物思いにふけりながら見やる
すぎにしかた:過ぎ去った昔
- 作者
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覚性入道親王
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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ふけにける我が身の影を思ふ間に はるかに月の傾きにける
- 次の歌
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秋の夜の月に心を慰めて 憂き世に年の積もりぬるかな