都なる荒れたる宿にむなしくや
月に尋ぬる人帰るらん
- 歌の意味
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都にある荒れた我が家に、月の夜に訪ねて来た人が、私がいないので、むなしく帰っていることだろうか。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1544
詞書「山里にて、月の夜、都を思ふといへる心をよみ侍りける」
山里と都の月を詠む一連の一首目である。自分が山里にいる間、都の荒れた家に月の夜に訪ねて来た人が、むなしく帰っているだろうかと思いやる。詞書によれば、山里にいて、月の夜に都を思うという題で詠んだ歌である。
作者の「大江嘉言」は、平安時代中期の歌人である。対馬守を務めた。
初句「都なる」は、都にある、の意である。自分のいる山里に対して都を示す。
二句「荒れたる宿に」は、荒れてしまった自分の家をいう。主のいない家のさまを示す。
三句「むなしくや」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」で結ぶ。
四句「月に尋ぬる」は、月の美しさに誘われて訪ねて来る、の意である。月の夜に友を訪ねる風雅を示す。
結句「人帰るらん」は、係助詞「や」を受けて連体形「らん」で結ぶ係り結びである。前歌が月を山路の友としたのに対し、ここでは山里から都の友を思いやり、山里と都とを月で結ぶ歌が続く。
たづぬ:訪ねる。訪問する
- 作者
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大江嘉言
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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有明の月よりほかは誰をかは 山路の友と契りおくべき
- 次の歌
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思ひやれ何をしのぶとなけれども 都おぼゆる有明の月