- 歌の意味
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有明の月を同じように眺めて物思いをしている私の心を、あなたの方こそ尋ねてください。都の外のあなたの所と同じく、ここもまた秋の山里のようにさびしいのです。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1546
詞書「返し」
山里と都の月を詠む一連の三首目で、この一連の終わりの歌である。前歌の惟明親王の歌への式子内親王の返しである。有明の月を同じように眺めている私の心を、あなたの方こそ尋ねてほしいと詠み返す。
作者の「式子内親王」は、後白河天皇の皇女である。若くして賀茂の斎院となり、退いたのちに出家した。
初句「有明の」は、前歌の結句「有明の月」を受けた語である。
二句「同じながめは」は、同じように月を眺めて物思いすることは、の意である。前歌の「思ひやれ」に対し、自分も同じ思いであると応じる。
三句「君も問へ」は命令形で、あなたの方こそ尋ねてください、の意となり、ここで三句切れとなる。前歌の「思ひやれ」を、こちらからも思いやってほしいと切り返している。
四句「都のほかも」は、都の外も、の意である。前歌の「都おぼゆる」を受けている。
結句「秋の山里」は体言止めである。都の外にいる惟明親王の住まいだけでなく、自分の住まいもまた秋の山里のようにさびしいと解され、二人の寂しさを重ねて贈答を結んでいる。
ながめ:物思いにふけりながら見ること
とふ:尋ねる。見舞う
- 作者
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式子内親王
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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思ひやれ何をしのぶとなけれども 都おぼゆる有明の月
- 次の歌
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天の戸をおしあけがたの雲間より 神代の月の影ぞ残れる