雲をのみつらきものとて明かす夜の
月よ梢にをちかたの山
- 歌の意味
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月を隠す雲だけをつらいものと思って夜を明かしたが、明け方の月よ、今は梢にかかり、遠くの山に沈もうとしている。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1548
詞書は前の歌に続き「春日社歌合に、暁月の心を」
暁の月を詠む一連の二首目である。月を隠す雲だけをつらいものと思って夜を明かしたが、明け方の月は梢にかかり、遠くの山に沈もうとしていると詠む。詞書は前の歌に続き、春日社歌合で暁月の題で詠まれた歌である。
作者の「右大将忠経」は、藤原兼雅の子である。右近衛大将となり、のちに右大臣に至った。
春日社歌合は、元久元年(1204)に後鳥羽院が春日社に奉納した歌合である。
初句「雲をのみ」は、雲だけを、の意である。月を隠すものとして雲をまず取り上げる。
二句「つらきものとて」は、つらいものとして、の意である。月を見る妨げを雲だけと思っていたことを示す。
三句「明かす夜の」は、そう思って明かした夜の、の意で、四句の「月」にかかる。
四句「月よ梢に」は、月に呼びかけ、今は梢にかかっていると示す。雲のほかにも、梢が月を隠すものとなる。
結句「をちかたの山」は体言止めである。梢の向こうの遠い山に月が沈もうとするさまを示し、雲だけでなく梢も山も月を隠すものであったと気づく暁の心を、言いさしの形で表している。前歌の雲間に残る月を受けている。
をちかた:遠く隔たった方
こずゑ:木の枝の先
- 作者
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藤原忠経
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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天の戸をおしあけがたの雲間より 神代の月の影ぞ残れる
- 次の歌
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入りやらで夜を惜しむ月のやすらひに ほのぼの明くる山の端ぞ憂き