- 歌の意味
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難波潟の潮の引いた浜で餌をあさる葦辺の鶴も、月が傾いてゆくと、恨めしげな声で鳴くことだ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1555
詞書は前の歌に続き「題しらず」
海辺の月を詠む一連の二首目である。難波潟の潮干の浜で餌をあさる葦辺の鶴も、月が傾くと恨めしげな声で鳴くと詠む。詞書は前の歌に続き題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「俊恵法師」は、源俊頼の子である。東大寺の僧で、白川の自坊を歌林苑と名づけて歌人たちの集いの場とし、鴨長明の歌の師となった。
難波潟は摂津の歌枕で、今の大阪湾の入り江をいい、葦の名所として知られた。
初句「難波潟」は、摂津の歌枕の難波潟を示す。前歌の藤江の浦に続き、海辺の地名から歌い起こす。
二句「潮干にあさる」は、潮の引いた浜で餌を探す、の意である。
三句「葦鶴も」の「葦鶴」は、葦辺にいる鶴をいう。「も」によって、人と同じく鶴も、の含みを持たせる。
四句「月傾けば」は、已然形に「ば」を添えた確定条件で、月が西に傾くと、の意である。
結句「声の恨むる」は、連体形で言いさして余情を残す形である。月が沈むのを惜しんで鶴が恨むように鳴くとし、前歌の月のさやけさから、傾く月を惜しむ心へと移している。
あしたづ:葦辺にいる鶴
あさる:餌を探し求める
- 作者
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俊恵
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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かもめゐる藤江の浦の沖つ州に 夜舟いさよふ月のさやけさ
- 次の歌
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和歌の浦に月のいでしほのさすままに 夜鳴く鶴の声ぞ悲しき