風そよぐ篠の小笹のかりの世を
思ふ寝覚めに露ぞこぼるる
- 歌の意味
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風がそよぐ篠の小笹を刈るという、その「かり」のような仮の世のことを思って夜中に目覚めると、露のような涙がこぼれ落ちる。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1563
詞書「五十首歌人々によませ侍りけるに、述懐の心をよみ侍りける」
秋の景物に寄せて述懐する一連の四首目である。風のそよぐ篠の小笹を刈るという、その仮の世を思って目覚めると、露のような涙がこぼれると詠む。詞書によれば、作者が人々に五十首歌を詠ませた折、述懐の題で詠んだ歌である。
作者の「守覚法親王」は、後白河天皇の皇子である。仁和寺に入って出家し、その門跡となった。
初句「風そよぐ」は、風がさやさやと音を立てる、の意である。
二句「篠の小笹の」は、細い竹の篠や小さな笹をいう。初句から二句までが、三句の「かり」を導く序詞となる。
三句「かりの世を」の「かり」は、笹を「刈り」の意と、「仮」を掛ける。「世」は竹の節を「よ」ということから、笹の縁語ともなる。
四句「思ふ寝覚めに」は、仮の世を思って夜中に目覚めたときに、の意である。
結句「露ぞこぼるる」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「こぼるる」で結ぶ係り結びである。笹に置く露と涙とを重ね、前歌の山里の秋の悲しみを、はかない世を思う涙に移している。
かり:笹を「刈り」の意と、「仮」を掛ける
しの:細く群がって生える竹
ねざめ:夜中に目が覚めること
- 作者
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守覚法親王
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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雲かかる遠山畑の秋されば 思ひやるだに悲しきものを
- 次の歌
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浅茅生や袖に朽ちにし秋の霜 忘れぬ夢を吹く嵐かな