白露は置きにけらしな宮城野の
本荒の小萩末たわむまで
- 歌の意味
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白露がたくさん置いたらしい。宮城野の、根元の葉のまばらな小萩が、枝先がしなうほどに。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1566
詞書「題しらず」
秋の景物に寄せて述懐する一連の七首目である。白露がたくさん置いたらしい、宮城野の根元のまばらな小萩が、枝先のしなうほどにと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「祝部允仲」は、日吉社の神職を務めた祝部氏の歌人である。
宮城野は陸奥の歌枕で、今の仙台市の東の野をいい、萩の名所として知られた。四句は、『古今和歌集』の東歌「宮城野の本荒の小萩露を重み風を待つごと君をこそ待て」を踏まえる。
初句「白露は」は、白く光る露を示す。
二句「置きにけらしな」の「けらし」は、根拠をもって過去を推し量る語で、置いたらしい、の意である。「な」は詠嘆を添え、ここで二句切れとなる。
三句「宮城野の」は、陸奥の歌枕の宮城野を示す。
四句「本荒の小萩」は、根元の葉がまばらになった小萩をいう。『古今和歌集』の東歌の二句をそのまま用いる。
結句「末たわむまで」は、枝先がしなうほどに、の意である。倒置の形で、露の重さを萩の枝のたわみで示し、二句の推量の根拠としている。前の二首の風と夢から、秋の野の露へと景を移している。
もとあら:根元の葉がまばらなこと
たわむ:しなう。曲がる
けらし:根拠をもって過去を推し量る意を表す語
- 作者
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祝部允仲
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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葛の葉にうらみにかへる夢の世を わすれがたみの野辺の秋風
- 次の歌
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女郎花盛りの色を見るからに 露の分きける身こそ知らるれ