女郎花盛りの色を見るからに
露の分きける身こそ知らるれ
- 歌の意味
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女郎花の盛りの美しい色を見るにつけても、露が分け隔てをして恵みを置かなかったわが身の衰えが、思い知られることだ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1567
詞書「法成寺入道前太政大臣、女郎花を折りて、歌よむべきよし侍りければ」
秋の景物に寄せて述懐する一連の八首目である。女郎花の盛りの色を見るにつけても、露が分け隔てをして置かなかったわが身が思い知られると詠む。詞書によれば、藤原道長が女郎花を折って、歌を詠むようにと求めたので詠んだ歌である。
作者の「紫式部」は、藤原為時の娘である。藤原宣孝の妻となり、のちに上東門院に仕えた。『源氏物語』の作者である。
この贈答は『紫式部日記』にも記されている。この歌には道長の返しがあり、次歌に置かれている。
初句「女郎花」は、秋の七草の一つで、黄色の小花を咲かせる。その名から、若く美しい女性にたとえられる。
二句「盛りの色を」は、盛りの美しい色をいう。
三句「見るからに」は、見るにつけても、の意である。
四句「露の分きける」は、露が分け隔てをした、の意である。前歌の萩に置いた露を受け、女郎花には美しい色をもたらした露が、自分には置かなかったとする。
結句「身こそ知らるれ」は、係助詞「こそ」を受けて自発の「る」の已然形「るれ」で結ぶ係り結びである。盛りの女郎花と比べ、自然とわが身の衰えが思い知られると謙遜している。
をみなへし:秋の七草の一つ。黄色の小花を咲かせる
わく:区別する。分け隔てをする
- 作者
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紫式部
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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白露は置きにけらしな宮城野の 本荒の小萩末たわむまで
- 次の歌
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白露は分きても置かじ女郎花 心からにや色の染むらん