花薄秋の末葉になりぬれば
ことぞともなく露ぞこぼるる
- 歌の意味
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花薄も秋の末の葉となってしまったので、これといったわけもなく、露がこぼれ落ちる。私の涙もまた、こぼれ落ちることだ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1572
詞書「九月ばかりに薄を崇徳院に奉るとてよめる」
秋の景物に寄せて述懐する一連の十三首目である。花薄も秋の末の葉となったので、これといったわけもなく露がこぼれると詠む。詞書によれば、九月頃に薄を崇徳院に奉るときに詠んだ歌である。
作者の「大蔵卿行宗」は、参議源基平の子である。大蔵卿に至った。
初句「花薄」は、穂の出た薄をいう。秋の野の代表的な景物である。
二句「秋の末葉に」の「末葉」は、枝先の葉の意と、秋の末の意を重ねる。晩秋の薄を示す。
三句「なりぬれば」は、完了の「ぬ」の已然形に「ば」を添えた確定条件で、なってしまったので、の意である。
四句「ことぞともなく」は、これといったわけもなく、の意である。
結句「露ぞこぼるる」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「こぼるる」で結ぶ係り結びである。薄の葉からこぼれる露に、わけもなくこぼれる涙を重ねる。本巻の第千五百六十三首の結句「露ぞこぼるる」と同じ句で、秋の述懐の涙を露に託している。
すゑば:枝先の葉。また、末の時期
はなすすき:穂の出た薄
- 作者
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源行宗
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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秋果つるはつかの山の寂しきに 有明の月を誰と見るらん
- 次の歌
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夜半に吹く嵐につけて思ふかな 都もかくや秋は寂しき