露の命消えなましかばかくばかり
降る白雪をながめましやは
- 歌の意味
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露のようにはかないこの命が、もし消えてしまっていたならば、これほどに降る白雪を眺めることができただろうか。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1581
詞書「御悩み重くならせ給ひて、雪の朝に」
冬を詠む一連の五首目である。露のような命がもし消えていたならば、これほど降る白雪を眺めることができただろうかと詠む。詞書によれば、病が重くなった後白河院が、雪の朝に詠んだ歌である。
作者の「後白河院御歌」は後白河天皇である。鳥羽天皇の皇子で、譲位ののち長く院政を行い、今様を好んで『梁塵秘抄』を編んだ。
初句「露の命」は字余りの句で、露のようにはかない命をいう。
二句「消えなましかば」は、反実仮想の「ましかば」で、もし消えてしまっていたならば、の意である。「消え」は露の縁語である。
三句「かくばかり」は、これほどまでに、の意である。
四句「降る白雪を」は、降り積もる白雪をいう。前歌の雪を受けている。
結句「ながめましやは」は、反実仮想の「まし」に反語の「やは」を添え、眺めることができただろうか、いやできなかった、の意となる。本巻の第千五百三十一首で俊成が「またもこの世の月を見んとは」と詠んだのと同じく、命を得て再び景物を見る感慨を、ここでは雪に託している。
なやみ:病気
ましかば:もし…だったならば
- 作者
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後白河院
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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跡もなく雪ふるさとは荒れにけり いづれ昔の垣根なるらん
- 次の歌
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杣山や梢に重る雪折れに 絶えぬなげきの身を砕くらん