老いぬとも又も逢はんと行く年に
涙の玉を手向けつるかな
- 歌の意味
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年老いてしまっても、また来年も逢おうと、去ってゆく年に、涙の玉を手向けたことだ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌上 1586
詞書「題しらず」
冬を詠む一連の十首目である。老いてもまた逢おうと、去ってゆく年に涙の玉を手向けたと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「皇太后宮大夫俊成」は藤原俊成である。藤原俊忠の子で、定家の父にあたる。皇太后宮大夫を務め、安元二年(1176)に出家した。『千載和歌集』の撰者である。
初句「老いぬとも」は、年老いてしまっても、の意である。
二句「又も逢はんと」は、また逢おうと、の意である。来る年にもまた生きて逢いたいという願いを示す。
三句「行く年に」は、去ってゆく年に、の意である。年の暮れの別れを旅立ちになぞらえている。
四句「涙の玉を」は、涙を玉にたとえた語である。旅立つ人に手向ける幣になぞらえる。
結句「手向けつるかな」は、完了の「つる」に詠嘆の「かな」を添える。去る年を旅人に見立てて涙を手向けるとし、年の暮れに老いの身の惜別を託して、巻末の歌へとつないでいる。
たむく:旅立つ人や神仏に物を供える
ゆくとし:暮れてゆく年
- 作者
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藤原俊成
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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見し夢をいづれの世ぞと思ふ間に 折を忘れぬ花の悲しさ
- 次の歌
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おほかたに過ぐる月日とながめしは 我が身に年の積もるなりけり