ひとすぢに慣れなばさても杉の庵に
夜な夜な変はる風の音かな
- 歌の意味
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ひたすらに住み慣れてしまえば、それはそれでよいのだが、杉の庵に夜ごとに違って聞こえる風の音であることよ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌中 1621
詞書「千五百番歌合に」
山の住まいに吹く風を詠む一連の一首目である。ひたすら住み慣れてしまえばそれでよいのに、杉の庵には夜ごとに違う風の音がして慣れることができないと詠む。詞書によれば、千五百番歌合に出詠された歌である。
作者の「右衛門督通具」は源通具である。内大臣源通親の子で、『新古今和歌集』の撰者の一人である。
初句「ひとすぢに」は、ひたすらに、一つの調子で、の意である。
二句「慣れなばさても」は、慣れてしまったならそれでもよいのに、の意である。「なば」は完了の「ぬ」に「ば」が付いた仮定を表す。
三句「杉の庵に」は、杉の木立の中の庵に、の意である。六音の字余りである。
四句「夜な夜な変はる」は、夜ごとに変わる、の意である。初句の「ひとすぢ」と対になり、一様でない風の音を示す。
結句「風の音かな」は、「かな」の詠嘆で結ぶ。慣れようとしても慣れさせない風の音に、山住まいの寂しさを聞き取っている。
いほ:草木で作った粗末な住まい。庵
- 作者
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源通具
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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厭ひてもなほ厭はしき世なりけり 吉野の奥の秋の夕暮
- 次の歌
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誰かはと思ひ絶えてもまつにのみ 訪れてゆく風は恨めし