思ふことおほはら山の炭竈は
いとどなげきの数をこそ積め
- 歌の意味
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思うことの多い大原山の炭竈は、いっそう嘆きの数を、投げ木を積むように積み重ねるばかりです。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌中 1641
詞書「返し」
世を背く山を詠む一連の三首目で、前歌への返歌である。思うことの多い大原山の炭竈は、投げ木を積むように嘆きの数を積むばかりだと答える。
作者の「少将井尼」は、大原に住んだ尼である。
大原は炭焼きの里として知られ、炭竈とともに詠まれることが多い。
初句「思ふこと」は、思い悩むことが、の意である。
二句「おほはら山の」の「おほはら」には、思うことが「多かり」の意と、地名の「大原」が掛けられている。前歌の「大原山は」を受けて答える。
三句「炭竈は」は、炭を焼くかまで、大原の名物である。
四句「いとどなげきの」の「なげき」には、「嘆き」の意と、炭竈にくべる「投げ木」が掛けられている。「炭竈」と「投げ木」は縁語である。
結句「数をこそ積め」は、係助詞「こそ」を受けて已然形「積め」で結ぶ係り結びである。前歌の「住みよかりきや」という問いに、住みよいどころか嘆きばかりが積もったと答えている。
すみがま:炭を焼くかま
おほはら:多い意と、地名の大原を掛ける
なげき:嘆きの意と、炭竈にくべる投げ木を掛ける
- 作者
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少将井尼
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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世を背く方はいづくにありぬべし 大原山は住みよかりきや
- 次の歌
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誰住みてあはれ知るらん山里の 雨降りすさむ夕暮の空