誰住みてあはれ知るらん山里の
雨降りすさむ夕暮の空
- 歌の意味
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誰が住んで、このしみじみとした趣を知っているのだろうか。山里の、雨が激しく降り荒れる夕暮れの空よ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌中 1642
詞書「題しらず」
山里の奥を詠む一連の一首目である。雨の降り荒れる山里の夕暮れの空を見て、誰がここに住んでこのあわれを知っているのだろうかと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「西行法師」は、俗名を佐藤義清といい、鳥羽院の北面の武士であったが、二十三歳で出家した。
初句「誰住みて」は、誰が住んで、の意である。
二句「あはれ知るらん」は、しみじみとした情趣を知っているのだろうか、の意である。「らん」は現在推量で、ここで句が切れる二句切れとなる。本巻の第千六百三十二首の「住まで哀れを知らんものかは」と同じく、住むことと、あわれを知ることを結び付けている。
三句「山里の」は、あわれの場となる山里を示す。
四句「雨降りすさむ」は、雨が激しく降り荒れる、の意である。
結句「夕暮の空」は体言止めで、寂しさの極まる雨の夕暮れを置いて結ぶ。本巻の第千六百五首も同じ結句「夕暮の空」で結んでいる。
ふりすさむ:雨などが激しく降り荒れる
あはれ:しみじみとした情趣
- 作者
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西行
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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思ふことおほはら山の炭竈は いとどなげきの数をこそ積め
- 次の歌
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枝折せでなほ山深く分け入らん 憂きこと聞かぬ所ありやと