- 歌の意味
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天上の乙女が夏衣を空高くに晒しているかのような、布引の滝であることよ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌中 1653
詞書「最勝四天王院の障子に布引の滝描きたる所」
布引の滝を詠む一連の三首目である。天つ乙女が夏衣を空に晒しているような布引の滝であると詠む。詞書によれば、最勝四天王院の障子に描かれた布引の滝の絵に添えて詠まれた歌である。
作者の「有家朝臣」は、藤原重家の子で、『新古今和歌集』の撰者の一人である。
最勝四天王院は、承元元年(1207)に後鳥羽院が京の白河に建てた寺で、その障子には諸国の名所が描かれ、歌人たちの歌が添えられた。
初句「久方の」は、「天」にかかる枕詞である。
二句「天つ乙女が」は、天上の乙女が、の意である。「つ」は「の」にあたる古い格助詞である。
三句「夏衣」は、夏に着る薄い衣である。白く薄い布を思わせ、滝の姿に重ねる。
四句「雲居にさらす」は、空高くに晒す、の意である。布を晒して白くすることを、滝の白い流れに見立てる。前歌の「空に見ゆる」「白雲」を受け、空から落ちる滝をさらに天上の布に見立てる。
結句「布引の滝」は体言止めで、前歌と同じ結句で結ぶ。見立ての正体を結句で明かす構成も前歌と共通し、布引の滝の一連を閉じる。
くもゐ:空。雲のあるところ
さらす:布を水や日に当てて白くする
あまつをとめ:天女
- 作者
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藤原有家
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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水上の空に見ゆるは白雲の たつにまがへる布引の滝
- 次の歌
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昔聞く天の河原を尋ね来て 跡なき水を眺むばかりぞ