天の川通ふ浮木に言問はん
紅葉の橋は散るや散らずや
- 歌の意味
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天の川に通う浮木に尋ねてみよう。紅葉の橋は散ってしまったのか、まだ散らずにあるのかと。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌中 1655
詞書「題しらず」
天の川を詠む一連の二首目である。天の川に通う浮木に、紅葉の橋は散ったのか散らないのかと尋ねようと詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「実方朝臣」は、藤原定時の子で、左近衛中将から陸奥守となり、任地で没した。
中国の『博物志』に、海辺に住む人が、毎年八月に来る浮き木に乗って天の川に至ったという話がある。紅葉の橋は、七夕の夜に織女が天の川を渡るための橋として詠まれる。
初句「天の川」は、前歌の地上の天の河原から、空の天の川へと移る。
二句「通ふ浮木に」は、天の川に通うという浮き木に、の意である。海と天の川を行き来する浮き木の故事による。
三句「言問はん」は、尋ねてみよう、の意である。意志の「ん」で句が切れる三句切れとなる。
四句「紅葉の橋は」は、織女が渡るという紅葉の橋は、の意である。
結句「散るや散らずや」は、散るのか散らないのか、の意である。「や」を重ねて問いかけ、天上の様子を浮き木に尋ねる趣向で結ぶ。前歌が跡のない地上の河原を嘆いたのに対し、ここでは天上の川に思いを馳せる。
うきぎ:水に浮かぶ木。いかだ
こととふ:尋ねる。問いかける
- 作者
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藤原実方
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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昔聞く天の河原を尋ね来て 跡なき水を眺むばかりぞ
- 次の歌
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真木の板も苔むすばかりなりにけり 幾世経ぬらん瀬田の長橋