わくらばに訪はれし人も昔にて
それより庭の跡は絶えにき
- 歌の意味
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まれに訪ねてくれた人も、今は昔のこととなって、それ以来、庭には人の足跡も絶えてしまった。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌中 1686
詞書「守覚法親王五十首歌詠ませ侍りけるに閑居の心を」
主なき宿と絶えた訪れを詠む一連の三首目である。まれに訪ねてくれた人も昔のこととなり、それ以来庭の足跡は絶えたと詠む。詞書によれば、守覚法親王が五十首歌を詠ませた折に、閑居を題として詠んだ歌である。
作者の「定家朝臣」は、藤原俊成の子で、『新古今和歌集』の撰者の一人である。のちに『新勅撰和歌集』を単独で撰んだ。
守覚法親王は後白河天皇の皇子で、仁和寺に住して御室と呼ばれた。
初句「わくらばに」は、たまに、まれに、の意である。本巻の第千六百六十二首の初句と同じ語で始まる。
二句「訪はれし人も」は、訪ねてくれた人も、の意である。
三句「昔にて」は、昔のこととなって、の意である。
四句「それより庭の」は、それ以来庭の、の意である。
結句「跡は絶えにき」は、足跡は絶えてしまった、の意である。完了の「に」と過去の「き」で結び、訪れの絶えた閑居のさまを言い切る。前の二首の荒れた家を、ここでは住む側の視点から詠み、一連を結ぶ。
わくらば:たまに。まれに
かんきよ:世間を離れて静かに住むこと
- 作者
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藤原定家
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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いにしへを思ひやりてぞ恋ひわたる 荒れたる宿の苔の石橋
- 次の歌
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なげきこる身は山ながら過ぐせかし 憂き世の中に何帰るらん