彦星の行き逢ひを待つかささぎの
門渡る橋を我に貸さなむ
- 歌の意味
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彦星が織女との行き逢いを待って、かささぎが架けるという、海峡を渡る橋を、わたしに貸してほしいものだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1700
詞書「かささぎ」
かささぎを題とする一首で、菅原道真の一字題の歌十二首の十一首目である。七夕に彦星と織女の逢瀬のためにかささぎが架けるという橋を、自分にも貸してほしい、と詠む。海を隔てた都へ渡りたいという願いを、七夕の伝説に託している。
作者の「菅贈太政大臣」は菅原道真である。原文に作者名はなく、前歌から続く。菅原是善の子で、学者、漢詩人として知られ、右大臣に至ったが、醍醐天皇の代に大宰権帥に左遷され、配所で没した。没後に太政大臣を追贈されたため、この呼称で記される。
七夕の夜には、天の川にかささぎが翼を連ねて橋を架け、織女がそれを渡って彦星に逢うという伝説が中国にあり、日本でも和歌に詠まれた。
初句「彦星の」は、牽牛星のことである。七月七日の夜に織女と逢うとされる。
二句「行き逢ひを待つ」は、年に一度の逢瀬を待つ、の意である。
三句「かささぎの」は題の語で、七夕の伝説で天の川に橋を架ける鳥として詠まれる。
四句「門渡る橋を」の「門渡る」は、海峡などの狭い水路を渡ることをいう。天の川を渡る橋に、筑紫と都とを隔てる海を渡る橋が重ねられている。
結句「我に貸さなむ」の「なむ」は、他に対する願望を表す終助詞である。天上の恋人たちのための橋を借りてでも都へ帰りたいという、切実な願いが示される。
とわたる:海峡や川の瀬戸を渡る
かささぎ:カラス科の鳥。七夕の夜に翼を連ねて天の川に橋を架けるとされる
- 作者
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菅原道真
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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海ならずたたへる水の底までに 清き心は月ぞ照らさむ
- 次の歌
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流れ木と立つ白波と焼く塩と いづれかからきわたつみの底