いかにせむ身をうき舟の荷を重み
終の泊りやいづこなるらむ
- 歌の意味
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どうしたらよいのだろう。わが身をつらく思うこの浮き舟は、荷が重いので、最後に行き着く港はどこになるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1706
詞書は前の歌に続き「題しらず」
舟に寄せて身の定めなさを詠む歌の二首目である。つらいわが身を浮き舟にたとえ、積んだ荷が重いので、最後にたどり着く港はどこになるのか、と詠む。荷の重さに罪業の重さを重ね、死後の行方を案じる僧の心を詠んだものと解されている。
作者の「増賀上人」は、平安中期の天台宗の僧で、比叡山で良源に学び、のち大和の多武峰に籠もって修行した。名利を嫌い、奇行の多い聖として知られる。
初句「いかにせむ」は、どうしたらよいだろう、の意である。途方に暮れる思いをまず投げ出し、ここで句切れとなる。
二句「身をうき舟の」の「うき」は、わが身を憂しと思う意と、浮き舟の意とを掛ける掛詞である。前歌の「うきたる舟」を受け、同じく舟を身のたとえとしている。
三句「荷を重み」は、「名詞+を+形容詞の語幹+み」の形で、荷が重いので、の意である。舟に積んだ荷に、身に負う罪の重さが重ねられている。
四句「終の泊りや」の「泊り」は舟の泊まる港である。「終の泊り」は最後に行き着く所で、死後の行方をいう。「や」は疑問の係助詞である。
結句「いづこなるらむ」は、係助詞「や」を受けて推量の助動詞「らむ」の連体形で結ぶ係り結びである。舟の行く先を問う形で、往生のかなうかどうかを案じる心を示している。
うきふね:水に浮かぶ舟の意に、身を憂しと思う意を掛ける
とまり:舟の泊まる所。港
- 作者
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増賀
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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さすらふる身は定めたる方もなし うきたる舟の波にまかせて
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あし鴨の騒ぐ入江の水の江の 世にすみがたき我が身なりけり